KSR-110 メンテナンス?日記 2008年3月2日  キャブセッティング..したいけど


マニュアルクラッチ化で顕著に...
 マフラー交換で少しは気持ち良いサウンド、マニュアルクラッチ化で普通に違和感の無いギヤチェンジ可能となり寒〜い中あちらこちら走り回っています(笑)。
しかし気になる事が...

どうも5,000rpmあたりの中間回転域でパーシャルに近いスロットルから加速しようと開けると一瞬ストールしてしまうのです。
この領域はちょうどコーナーリングから立ち上がりにかけて使う領域、そのためリヤにトラクションをかけるどころか、前後均等な加重状態から一瞬フロント加重になってギクシャク...
アクセルを更に一気に開けると症状も多少軽減する事から、その領域がリッチ(過濃)なようです。
試しにメインジェットを大幅に番手アップしてみると症状は悪化する事から間違い無いでしょう。

現状は純正の番手から1番手アップのメインジェット(MJ)です。
マフラー交換ではジェット変更不要という話も聞きますが、純正マフラーに比べれば排気効率も変化しているはずですので、期待も加味して?(笑)1番手アップしています。
しかし中間が濃いのでは...MJを絞るのか?
MJは極力番手を上げて完全燃焼させたいです(=パワーアップ)。
そこでアクセル中間開度に影響するニードルを位置調整しようと思ったら...

一般的なCクリップ止めのニードルでは無く、フランジ一体形状のためニードル位置を下げる事は物理的に不可能です(汗)
困りました...

思案の結果、中間域の燃料を減らすのではなくエア量を増やせば良いという事で吸気効率を向上させる方向に。
KSRでは一般的な吸気ダクトの撤去を行うことにしました。
本当は最小限の変更で(極力物を外したりせずに)セッティング出したかったのですが止むを得ません...

 

KSRの吸気構造

 KSRは面白い構造でフレームが吸気経路の一部となっています。

フレーム後端のゴム製のダクトから外気を吸い、その直後のスポンジを巻いた角筒2個を通過し、車体前方のエアクリーナー、キャブへと導かれます。

結構長い吸気経路となりますので低速トルクアップにも貢献しているはず。

2つの角筒は吸気音の消音目的と思われます。
かなり「消音」には力を入れているのがわかりますね〜



これがダクト(像の鼻)

 メインフレームの後端(ちょうど燃料タンク後端付近の奥)に目をやるとチョロっと出たゴム製のダクトが見えます。

コイツを外すのですが、ダクトに指を突っ込んでただ単に引っ張れば抜けて来ます!

 

こんな形

 かなり吸気面積は絞られています。

 

裏側は

 まぁ、特に見るべきものもありませんが(笑)、吸気抵抗になっている事は容易に想像できます。

 

これが謎の角筒

 パっと見はエアクリーナーのようにも見えますが、空気は中央の何も無い部分を通過するのでフィルタリングの機能はほとんど無いと思われます。

構造を見ればクリーナーというよりもサイレンサーでしょう。

コイツが2個直列に入ってます。
これも引き抜くだけです。


こんな感じに

 並ぶ事になります(実際は灰色の角筒がもう1個右に並びます)




問題のニードル
 通常カッタウェイ(スロットルバルブ)に入るこのジェットニードル(JN)はクリップによって位置調整出来るのですが、コストのためかKSRのJNは調整出来ません。

画像のように調整ワッシャーを入れればある程度は上方への調整(濃くなる方向)は可能ですが、逆(薄くなる方向)は出来ません(カッタウェイを座繰り加工などすれば可能ですが...)

因みにA1は「NDHA」というJN、A2以降は「NANK」というJNに変更されており、形状がかなり違うとの情報もあります。

また画像のJNは入手した予備エンジンから取り外した物で、私の車両(A7)と同じ「NANK」ですが、私のキャブには無いワッシャーが入っていました。


性能チェック!!

 吸気ダクトと吸音材(部品名:スクリーン)を外した状態で試走です!

今までの中間域での失速もほぼ解消し、スムーズに!

そこでいつもの性能チェックを実施です。
結果は今までの最速タイム、5.37秒を記録!
画像の通り約9,000rpmシフトになったので、本来の9,500rpmシフトであればもう少しタイムアップしたはずです。

時間的に再チャレンジが難しかったので今回は断念、機会があれば再度計測してみます。

後日計測を行うと5秒を切るタイムに!
僅かではありますが確実にタイムアップです!!




とりあえずはサーキット走行OKか?

 気持ち良く走るのに支障があった中間域の失速が無くなり、これで何とかサーキット走行も可能な状態にはなったと思います。
ただ、まだ中間域は絞れそうな感じです。

それにはエアクリーナーを撤去して流入空気量を増やすか、ニードル調整が可能なように加工するしか無いと思います。
いえ、そんな事より(笑)もビッグキャブに交換してしまうのが確実で簡単なのですが、φ18という小さなノーマルキャブで敢えて限界チャレンジするのも面白いかと思っています。
私自身既に124cc化は予定していますのでキャブは交換するのが確実なのですが、実際問題一般的なチューニングのステップとしてはキャブノーマルでマフラーのみ交換という状況は多いと思いますので少しでも参考になればと...

純正キャブはキャブヒーターも内蔵されており、オールマイティーに使用するには最適でしょうから、やはりそのポテンシャルは把握しておきたいと思っています。
「マシンを速くする」という目標からすれば回り道かもしれませんが、決して無駄にはならないと思います!!

(続く)

 

 

 

 

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