ZX−10 メンテナンス?日記 2005年8月4日  サスペンション・リンク の整備

宝の持ち腐れ
 約3ヶ月前に今回の17インチ化を視野に入れての車高調整装備オーリンズリヤショックの装着を行いましたが、その時に気になっていた事があるのです。
それはボトムリンクのベアリング劣化です。

サスペンション交換時はリンクの動作には問題無かったので取り合えずそのまま組んだのですが、純正部品も準備出来た事から交換を実施しました。
作業自体は難しい事では無いのですが、このような状況に成り得るという事を知って頂くために敢えて取り上げてみました。



画像をクリックすると拡大画像が現れます

 

まずは取り外してみると...

 画像中央のダストシールはゴム製のため劣化してかなり酷い状態ですが、それでも機能は生きていました。

一方画像右のスリーブは段付き磨耗(腐食)しており、これは完全に交換が必要です。

 

これじゃぁ...

 ダメですよね。

因みに上から
・フレーム取り付け部
・タイロッド取付け部
・サスペンション取付け部
となり、フレーム取付け部のみベアリングが副列で取り付けられています。

やはり一番動作量(角度)の大きいサスペンション取付け部の磨耗が大きいです。

 

ベアリングの取り外し

 リンクの3箇所に合計4個のニードルローラーベアリングが圧入されています。
これをベアリングプーラーで引き抜きます。

以前はピンポンチやドライバーなどで叩き出したりしていたのですが、スイングアーム加工などでベアリングを抜く機会が増えたたため購入した工具です。
さすがにベアリング、母材共に傷付けずに抜く事が出来ます。

 

 

取り外したベアリングは

 このように一部ニードルが脱落しました(汗)

もはやベアリングとしては機能していません...

 

こちらが交換する純正部品

 画像には写っていませんがタイロッド用のベアリング(他のベアリングと同一部品)も準備済みです。

リンクのベアリング部にあるグリスニップルも取り外して綺麗にクリーニングしておきました。

 

ベアリング圧入

 と言っても油圧プレスなどは持っていない(正確に言うと要修理品があるが組み立て&修理していない...)ので、万力とソケットレンチのコマを使用して圧入します。

因みにコマはsnap-onのインチコマという豪勢な作業です(笑)。
こんな時のためにコマは数社の物を多数ストックしておくと適当なサイズが選ぶ事が出来て便利です。
舐めてしまったような安物コマでもこのような使い道が残されていますので捨てずに取っておきましょう!

 

 

 

 

修理を終えて

 このような状況にも関わらず、リンクとしては動作をしていたのでベアリング関係を一新しても激変はしていません。
しかしながら明らかに設計通りの動作は望めない状況だった事には違いありません。
せっかく動きの良いオーリンズサスペンションを装着した訳ですから、ここもキッチリ動いてくれなければ十分に性能は活かせませんよね。

私のZX-10は購入時の状況から、そこそこはメンテナンスされていた痕跡があり、このリンク部も定期的なグリスアップがされていたであろうという想像をしておりましたが、結果を見る限りそうでは無かったようです。
考えてみれば今の世の中バイクや車からグリスニップルは殆ど消滅しています(それだけ可動部の品質、信頼性が向上して不要になった訳です)。

グリスガンなど持っているユーザーも少ないのでしょう(もちろん私は持ってました、3本も...(笑))。
皆さんのZX-10も一度確認された方が良いと思います。
なかなか気付かない部分でもありますし...

 

 

 

 

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