有限Z 作業日記 1998年4月25日 レース出走

 今日はいよいよレース当日、果たしてどういう走りができるでしょうか?


出発

 出発前に自宅兼ガレージ前で記念撮影。

何となく疲れているのが判るでしょうか?でも気分はワクワクなんです。
中央高速、首都高速、常磐道を経由して、茨城県の筑波サーキットへ。渋滞も無く2時間程で到着、受け付けを済ませてマシンを待機場所に移動します。
 この時サーキットは曇り空。
「降るのか?降らないのか?気になります」
※この時点ではスリックを装着してました。


出走準備
 待機場所に並びました。
いやぁ〜こんなに沢山の360cc軽自動車が集結すると、さすがに圧巻ですね。カリカリチューンから街乗りのままの仕様まで、バラエティに富んだ参加車です。
 灯火類のテーピングや、タイヤ空気圧調整を終えて、待っていると次第に空模様が怪しくなってきました。
予選が近付くと遂には雨が...
急いでタイヤサービスにレインタイヤを持込んで組み換えてもらいます。予選は雨の中行う事になりそうです。


予選開始
 いよいよ予選開始!
まずは私が未使用レインタイヤの皮剥きと、重心位置を変更したマシンの挙動をチェックするために乗り込みました。
雨の中のレインタイヤは、さすが雨用なだけあって、素晴らしいグリップを発揮してくれました。挙動も穏やかで、スピンする気配すら感じられません。タンク移動による重心移動が成功だったのかもしれません。
 安心して相方にバトンタッチ。
予選結果は3位です。マシンのチェックをしながらのタイムアタックでしたので、こんなもんでしょう。決勝は期待が!!


決勝スタート!

 予選を終えた時点では、
「雨+FF+レーシングレインタイヤで優勝は頂きだな!!」
なんていう事を勝手に想像していました(笑)。そのくらい雨のレインタイヤ走行は良かったんです(勿論ドライのスリック走行の方が望ましいのですが)。

 しかし、決勝の時間が近付くにつれて、空は明るくなり、雨は止み、路面は次第に乾いていきます...
「まずい、雨、降ってくれ〜!!」
そんな願いも空しく、路面はどんどん乾いてきました。

 さぁ困った!このままレインで行くか、スリックに組み換えるか?賭けです。既に路面状況はスリックで行ける状況です。
でも、万が一レース途中で雨が降り出したら...
スリックでのウェット走行は楽しい..いや、恐いです。
新潟の間瀬サーキットでは大雨の中スリックで走行(慣熟)した事がありますが、ストレートで少しでもアクセルを開けようものなら、ず〜っと空転のハイドロプレーニング状態。
コーナーなんて論外です。

 今回は間瀬よりも高速走行となる筑波です。万が一の事を考えると安全な選択をするべきだと思い、レインで行く事にしました。
しかしながら、ドライ路面でのレインタイヤです。溶けてしまいグリップしない事は容易に想像できます。しかしウェット&スリックよりも格段に安全ではあるので、覚悟の上、走行します!

 やはりコーナーではヌルヌルと外にハラんでしまいます。それを無理にコジればパワーの無いZではロスになっていしまします。
コースを一杯に使って、なるべくロスの出ないようなラインを考え、出来るだけコーナーリングスピードを稼ぎます。
 しかしやはりスリックの時のようにはスピードも乗らずに、結果、ストレートにまでその影響が及んで、苦しいレース展開です。

ストレートはおろか、コーナーでもパワーで圧倒的に勝る空冷ホンダ車(500cc)に迫られます。抜きつ、抜かれつを繰り返しながらレース半分の30分を経過したところで、相方のわんこ氏とドライバーチェンジ。あとは全て任せます。
 私の感触では、3位近辺だろうから、まぁ、入賞できれば上出来だろう、とスタート前と打って変わって謙虚なものです(笑)。

相方の堅実な走りに安心して、順位も気にせずに眺めていると、ゴールの時間も近付いてきたようです。
場内アナウンスで実況しているようですが、マシンの走行音で良く聞き取れません。

 しかし、なぜかウチのマシンのゼッケンを叫ぶのが多く聞こえます。「何かトラブルか?」心配になって見ても順調に走っています。
「?????」
「という事は、ウチの順位が良いという事か?」


 ついに1時間耐久レースのゴールの時間。
我が有限Zにチェッカーが振られた瞬間、アナウンスの叫び声!!
「優勝〜!!ゼッケン12番、ホンダZ〜!!」
え?え?エ?え?
おぉぉぉ!!本当に優勝かぁ!!
何の期待もしていなかっただけに、呆気に取られてしまいました。
でも間違い無く私達は優勝できたようです(笑)。
 遂に、筑波で優勝、オバフェンを製作してスリック(今回はレインでしたが)を導入して、その成果を出せました。
睡眠時間を削って作業した甲斐がありました!(涙)


 優勝の証拠写真?(笑)です。
賞品、賞金も無く、このトロフィーだけですが、これで十分(でも賞品欲しいですけど(笑))なんです。
因に今回初使用のレインタイヤは1レースで終わっていました...
出費が痛い...(泣)

 レース終了後、今回参加したみんなと夕食です。
ライフを4独化した「COKE CLUB」、ライフを見事ミッドシップ化してきた「すわ屋チーム」、550ブロック使用のため賞典外とは言え、異次元の速さの「ハセガワ・ワークス」、そして私達「有限チーム」です。
みんな仲間でもあり、ライバルでもあり、それぞれ個性的で楽しいです。
※因に本人達に無許可で掲載してしまいましたが...(笑)