セダン・オフ

セダン・オフとは?
 この「セダン・オフ」とは、私の軽自動車レースのパートナーである「わんこ氏」が主催する車の集まりなのです。とあるドイツ車がメインの会議室の皆さんが全国から集まっており、当然ドイツ車が多数参加されています。その中に旧い国産の箱スカで参加というのは、非常に浮いた存在?ではありますが、この集まりにサーキット走行会を組み入れたのを期に、レース仲間という事で混ぜて頂いております。
 参加されている方々の車はバラエティに富んでいて、何と1957年式のメルセデスから1998年式まで、日本国内では希少な車も多数あります。しかも、それらが本気でサーキットを走ってしまうのですから、面白いんです。やはり「走る」という事には、国産、外車、関係無いんですね。
 宿泊地近くの公園駐車場に集結した参加車両。
 後ろにはVWの集団が偶然にも集結、怪しい駐車場(笑)と化すのでした。


集団登校
 関東地区の参加者でSAに集合したところです。
ポルシェの993と928に混じって(似てるから全然違和感ありませんね?(笑))止めさせてもらいました。
密かに「日本グランプリ※の再来だぜ!」と思っていたのは内緒です(笑)。岐阜県の「YZサーキット」に向けて走り出した高速道路で、そんなのは木っ端微塵に吹き飛んでしまいました...
(当然だけど違い過ぎます、全ての性能が...(笑))

瑞浪YZサーキット走行記
 はじめてのYZサーキットはなかなか走り答えがありました。
全長は1kmちょいの小さなサーキットで、ほぼ全域が一望できるので、見ていても楽しいですね。
コースレイアウトはコーナーがキツく、ノーズに重いL6を積んだ箱スカには辛そうです。しかし、高低差が無いので非力な箱スカでも何とか走れそうかな?
 コースイン、RE520Sを暖めながらラインを探ります。
しかし、難しい!!コーナー入り口は左右どちらかにカーブしていて、直線的なブレーキングが出来ません。当然?アンダーを出しながらのブレーキング、突っ込み過ぎ、という悪循環...
それでも強引に走っていると、今度は油温が130度を超えて...マズい!!さすがのelf−F1オイル(大奮発(笑))もこれじゃぁ...ペースダウンです。
やはりオイルクーラーを装着して来なかったのは敗因です。5月とは言え、暖かかった当日、エンジンには厳しかったようです(早速オイルブロック買ってきました(笑))。
 今回に向けて交換したファイナル4.111のR200のマッチングはバッチリで、7,000回転までを有効に使えました。イニシャルトルク強化というのも効果的で、Sタイヤでも負ける事無くLSD効果を発揮。
あとはタイヤ性能をもっと上げて(となるとセミワークス化しか無いんですが(笑))、足も少々リセッティングしたいところです。
全体のバランスは良いのですが、今回のような小さなサーキットでは、もう少し硬くしたいですね。
 ベストタイムは43.7秒。ラインをマスターして、車も少しセッティングすれば、あと少しは縮められそうです。しかしそれ以上は...エンジンが...(パワーが欲しいです...)
3リッターで300馬力、セミワークスに10jスリック、こんなスペックで走りたいですね〜。そうすれば打倒ポルシェも...?(笑)
 一緒に参加された「チャモロさん」が走行中の写真を撮って下さいました。
格好良く撮って下さったので、大きな写真も載せてあります(左の写真をクリックすると大きな写真が開きます)
 しかし結構ロールしてますねぇ...足をセッティングしなければ...
現在:F/7kg/mm R/20kg/mm です。


わんこシュニッツァー635
 これはレースの相方であり、今回の走行会&集まりの幹事、「わんこ」氏のシュニッツァー635です。
BMWの635をシュニッツァーがチューニングしたもので、当時レースでも大活躍したモデルです。
たいへん希少な車にも関わらず、格安で手に入れられ、やはり打倒ポルシェ(笑)と性能向上を目指しているそうです。
 ワンオフのマフラーが直前に完成し、ギリギリ間に合った状況で万全とは言えない状態のようでしが、爆音を轟かせて快調に高速を走っていました。


旭屋3.0CS(ご本人の希望により画像追加)
 そのシュニッツァー(左)の隣(右)は、当会議室にもいらして下さる「旭屋」氏の3.0CSです。
私達スーパーカー世代の人間には、レース仕様の3.0でお馴染みだと思います。
オリジナルの3.0は美しいボディラインでした。
 こうしてBMWのクーペ2台が並んで良い眺めですね〜。「逆スラント」のノーズが格好良いです。
 ’77MB250とバトルする旭屋さんのBMW3.0CS
※クリックで大きな画像へ
 第一コーナーに進入する、3.0CS。
※クリックで大きな画像へ


ポルシェ
 一方、私達のライバル?(笑)ポルシェです。
1977年式の911カレラ3.0と最新のボクスターです。
カレラの方はエンジンルームにトリプルチョークのダンドラウェーバーがそそり立って!そりゃもうタマらん光景でした(笑)。
 ボクスターはコンパクトなボディでさすがに快適で気持ち良さそうでした。


MB190SL
 さて、これが私が一番素晴らしいと思う1957年式!!のメルセデスベンツ190SLです。
このスタイルは本当、美しいですよ〜。オーナー自ら板金塗装を行っての参加です。
 私が素晴らしいと思うのは、旧いからとか、美しいからとかいうだけでは無く、これでサーキットを攻めてしまうからなんです。
私の「外車乗り観」を根底から覆して頂いた1台です。
 エンジンルームにはソレックスが...本当、最高です。


縦目ベンツ
 こちらは通称「縦目」と呼ばれるベンツです。
ベージュの方(左)が1971年式の280SE3.5Coupe、黒い方(右)が同じく71年製の300SEL6.3だそうです。
共に私の箱スカの同級生(笑)。しかし雰囲気は全然違います(当然だけど)。
6.3の方はサーキットでは巨大なボデイを物ともせずに、横向いてギュリギュリ爆走されていました。その迫力はポルシェも目じゃ無いくらいの物でした!!


190E2.5−16Evo2
 そして、これが私の一番のお気に入り!
1990年製MB190E2.5-16Evo2です。DTMマシンだ!!
コンパクトな190ボディが大きく見える、オバフェンと巨大なウィング、いやぁ、良いっす!!
オーナーのご好意で、運転させて頂いたのですが、これがまた意外で、非常に快適なんです。
 試乗記
 「ベ、ベンツの運転」、しかもこんな凄い外観の車という事で少々ビビりながらの試乗です。
室内は皮張りシートでシックな感じ、決して外観のようなスパルタンさはありません。雰囲気も落ち着いて、「こらがベンツかぁ」等と勝手に納得します(笑)。
足に目をやると大径ホイールの間からは効きそうな大きなキャリパーが...
エンジンは4発ですが、4発らしいパンチのある吹け上がりです。室内には適度にエンジン音が入って来て良い感じ。
 いよいよ走り出します。
軽い吹け上がりで、ボデイが軽く感じます。減速のためのブレーキングでは、目的ポイント遥か手前で「停止」してしまいました(笑)。タッチも良く非常に効くブレーキです(箱スカと雲泥の差だ!(笑))。
 一般道をゆっくり走っただけですが、非常に楽しかったです。


 その他にも凄い車がたくさんありました。普段国産旧車しか縁の無い私にとって、とても刺激的。
もちろん箱スカが一番ですが、こういう外車を参考に、箱スカのポテンシャルアップを図りたいですね。


最後に
 私の外車観は以前は、「能書きばかり垂れて理屈ばかりの...」、「高速の路肩を爆走」なんていう、良いイメージは無いものでした。
しかし実際にこうして外車乗りの皆さんと接するようになり、その考えを改めたのです。
車を苦労して安く手に入れ(埋まった車を掘り起こして再生した方もいらっしゃるくらいです)、一生懸命メンテして乗っている方も大勢いらっしゃるんだなぁ...と。
確かに私の絶対に買えないような車も多く、生活レベルの違いを感じない訳ではありませんが、そんなのは関係無く、車好きは皆一緒と感じたのです。
 また、高性能な外車を見たり触ったりする事によって、自分の箱スカチューニングにおいて、目標というか、何かプラスになるものもあるような気がします。視野を広くするというのは重要な事ですものね。
高性能で、速くて、快適で、魅力的な外車を見て、増々、低性能で、不快で(笑)な箱スカが好きになったような気もします(マゾか?(笑))。
 当分の間は「打倒ポルシェ」(笑)という大きな目標で、箱スカが楽しめそうです。

※参考  日本グランプリとは
 その「大昔(1964年)」、第二回日本グランプリが鈴鹿で行われました。
その時参戦していたのが、4気筒1500ccのボディをストレッチして無理矢理6気筒エンジンブチ込んだ、「プリンス・スカイラインGT(S54:日産と合併吸収前だったので、プリンス自動車)」、「ポルシェ904カレラGTS」なのです。1025kg、105馬力(GTA)のスカイラインに対して、575kg、180馬力のカレラ...あまりにも違うスペック、外観もセダンのスカイラインに対して、レーシングカーのカレラ、勝敗は明らかですね。
 しかし、「たった1周」ではありますが、スカイラインがポルシェの前を走ったのです(後にドライバー同士の話し合いで行ったパフォーマンスだったというのが、最近の通説のようです>そりゃそうだろうなぁ(笑))。
それ以来、スカイラインはレースの勝利を課せられるようになり、ポルシェとはライバルという事になっているようです(しかしポルシェから見ればハナクソみたいな物かも?(笑))。