RZ350素人レストア日記

私が2台目のRZを手に入れた時から現在に至るまで。
※作業を解り易くするため、写真を多用しております。読み込みにかなりの
時間がかかりますのでご了承下さい(読込み完了までの間、一服どうぞ)。
また、数々のウンチクは自己流で得たもの、正式に勉強したもの、雑誌から得た
ものもあります。いずれにせよ自分で経験した事を書いているつもりです。
しかしながら、私の勘違い、思い込みもある事と思います。間違っている事も
あるかもしれません。そんな時はご指摘下さいませ。

 十代の頃はもっぱらバイク少年であった私ですが、良くあるパターンで4輪免許取得と同時にクルマの方に一生懸命となり、バイクからは遠離っていました。
しかしながら、時間が経つと無性に再度バイクに乗りたくなったのです...
 突然、バイク屋街に立ち寄って衝動買いしたRZ250をきっかけに、ついにはRZ350も購入。同時にフルレストアへと...

憧れのRZ
 それは私が汚れを知らぬ(笑)中学生の時でした。
自転車で国道を走り、東京の境の走りのメッカに差し掛かった時です。
今まで見た事のない、パールホワイトのバイクが目に留まったのです。
真っ黒なエンジン、真っ黒なマフラー、それらとタンクのパールホワイトのコントラストが印象的でした。
 「格好良いバイクだな..ヤマハRZ250って言うのか」
この時少年の心にしっかりと刻み込まれたのでした。

 それから数年後、バイクの免許を取得できる年令になると、一気に中型を取得しました。RZはRZRとモデルチェンジしており、8馬力のパワーアップを施されています。悩んだ挙げ句、より速く走れるであろう新型を購入するのでした。
 このRZ250Rは約3年半にわたり、転倒→改造を繰り返し、楽しませてもらいました。それからは4輪に一生懸命となり、暫くバイクは遠離っていたのですが...

衝動買い
 仕事の関係で東京から新潟県に赴任していた時です。
通勤用にRZ50を作ったり、少しだけバイクには関わっていました。しかしながら4輪で本格的に遊び始めた事もあって、大きいバイクは我慢。
 とは言いつつもRZRはバラバラに分解し、当時の愛車ハチロクに積み込んで(笑)新潟に持って行ってあったのです。いつでも復帰できるように!
アパートの台所にはフレームやらタイヤがゴロゴロと...(笑)
 そんな時、職場の先輩がバイクやツーリングなんかの話をしていたのです。そうなるともう我慢できません。
 RZRを直す暇も無いので、東京との往復の途中、バイク屋街に立ち寄り、昔からの憧れ「RZ」を購入したという訳です。
すかさずエンジン(RZR改自作チューニング)、足周り(中期RZR(1AR)フロントフォーク一式)を移植、パワフルなRZになったのです。
 しかしそのRZもエンジン不調で冬眠に...

納車と同時に...
 またまたバイクが無い生活に戻ったのですが、そんな事も長くは続きませんでした。転職後、3ヶ月の研修で大阪出張中、楽しみは雑誌のみです。そんな中、またバイク欲しい病が再発したのは言うまでもありません(笑)。
休日に一時帰省し、今度は350を衝動買いです...

すぐにレストア
 納車当日にはバラし始めました。
「ツルシ」では絶対乗らないという質の悪い性格ですので...(笑)
 まずは全分解でフレーム塗装からです。
最初にリムーバーで塗装を大まかに剥離します。バイクのフレームというのは入り組んでいるため、結構たいへんな作業ですが、隠れた錆を撃退するには必須です。

サンドブラスト
 リムーバー(剥離剤)で塗装は落ちました。今度は錆び処理です。
ワイヤーブラシやカップで機械的に落とすのが簡単なのですが、フレームのように入り組んだ場所の錆は対応不可能。そこでサンドブラストで錆落とし兼塗装の足付けを行います。
ブラスターは1万円程度のスポット式で、コンプレッサーは1馬力にものでした。

下地塗装
 錆も完全に落とせたところで、下地塗装です。
今回は勿論本格的に2液性ウレタンで塗装します。
やはり入り組んだ場所がポイント。まず最初に塗り難い場所を攻めるのが、塗り残しを防ぐポイントです。

上塗り
 いよいよ上塗りです。
これも同様に2液ウレタンで、塗り難い部分から塗っていきます。
被塗装面が平面でないフレームは、油断するとタレが起き易いので慎重に!!
また、裏側は塗り忘れがちなので、注意ですね。

組み立て
 十分に乾燥(自然乾燥の場合、1日以上)したら、パーツの組込みです。
今回は悩んだのですが、
「当時の走り屋仕様」
を目指す事にしました。前後レプリカ足周りの極太タイヤ化のカスタムも非常に魅力的なのですが、流行ると否定したくなる素直な性格なもので...(笑)
渋好みで行くんです!!

定番のアルミ製スタンドです
 これは、もはや定番の「モンキースタンド」です。RZには小加工でボルト・オンです。ノーマルの鉄パイプスタンドに比べて、アルミスタンドはやはり違います。
見た目もともかく、軽量化という性能向上も見込めます。

オーリンズ製サスペンション
 憧れのオーリンズです。
他にはWP(ホワイト・パワー)社でもRZ用リヤショックはあるようです。
因に純正ショックは生産廃止だそうです...
 RZの場合、ショックは完全に隠れてしまって見えないのが残念?ですが、性能向上は確実です。
フロントはRZRからの物を敬承、ノーマルのφ32からφ35へ。

組み立て
 だんだん形になってきました。
この時は250のホイールが付いています。形は350も一緒なのですが、リヤホイールのスプロケとダンパーの構造が異なります。

エンジン
 エンジンはライトチューンのつもりでした。ところが目の前にするとポートを削らずには...(笑)結局ポート加工、面研0.5mm、ノグチビックキャブ(あえて円筒キャブにこだわった)、ユーゾーチャンバーというメニューに。
 勿論全て自分で加工です。色も綺麗に塗ってやりました。

エンジン搭載
 腰下はいっさいイジりませんでした。
クランクの芯出し溶接加工なんかも行いたいのですが、自分では出来ない加工、つまり工賃がかかるのでパス(笑)。
昔のようにギンギンに走る訳ではない(正確には走る腕が無くなったんですが...)ので良しとします。

組み立て
 いよいよ本格的に部品が装着されてきました。
リヤホイールは350のものです。

外装取り付け
 やっと外装取り付けです。
これはYSPカラーと呼ばれる販売店のスペシャルカラー(と言ってもそれ程スペシャルでも無い(笑))です。
 350のイメージカラーは白/青のゴロワーズカラーですが、350では比較的少ないYSPも良いかな?
(白/青のグラフィックは確保済みでいつでも作れる状態ですが)

チャンバー
 チャンバーは憧れの「Yuzo」です。
当時は手作りで高価なため、絶対に買えなかった逸品。15年待ってやっと手に入れました(現在のものは量産品のようです)。
 「Yuzo」といえばクロスですが、どうも形的にストレートの方が好みなので、350R用ストレートを選択、厳密には350にはマッチングしません。でも良いんです。今は性能より格好ですから(笑)。

ディスクローター
 350は元々ダブルディスクではあります...しかし効きは...
おまけに「のっぺり」とした穴無しディスクです。これは格好悪いです。
 以前250に装着していた「XJ400D」用ディスクはスリット入りなんですが、それも定番なので、今回は自分で穴開けしてみました。

ローターの加工
 安物のボール盤で穴開けです。
ローターはステンレスなのでかなり硬いので、下穴、中穴、本穴と3段階に分けました。
 ハイオク燃料を補給して作業も捗ります?(笑)

ローター完成
 上が加工前、下が加工後です。
穴位置は全て同心円上にならないように、少しずつずらしてあります。こうする事によって、パッドのクリーニング効果があるはずです。
 本当はもっと穴だらけにしたかったのですが、硬いローターの穴開けは...(笑)

タイヤは...
 当時は「TT100」なんていうタイヤが流行っていました。パターンはオフ車用のような、今見ると頼り無いタイヤですが、当時は大人気だったのです。
どうせなら当時っぽいタイヤ入れたいと思っていたら、やってくれました!!偉いぞダンロップ!!TT100GP再販です!!しかもコンパウンドは最新コンパウウンド。

間もなく完成
 ほぼ形になってきました。
しかし私にはどうしても欲しい物があったのです。
 それは「純正おたふくカウル」です。
当時はどう見ても格好悪いとしか思えなかったものが、今は無性に欲しくてたまらないのです。諦めていたら、何と新品同様のものを個人売買で入手、しかも同じ赤のYSPカラーです。これはラッキー!

完成!!
 その「おたふく」も装着され、完成です。
購入してから作業をさぼっていたりしましたので、1年もかかってしまいました(笑)。お陰ですぐに車検。
その車検も無事取得しました。これも規制緩和のお陰ですね。
当時では明らかに違法改造車になってしまいます。それが今は合法車ですからね。

 以上、重たいページを最後までご覧頂き、誠にありがとうございました。
免許取得からRZ一筋ではありますが、本当はリッターバイクもイジってみたいんです。幸運にも免許が中型ですから自主規制できていますが...(笑)
しかし、バイク雑誌を見る度に、Z1R(1000cc)をフルカスタムして...なんていう事が頭の中を言ったり来たり(笑)。