箱スカ素人レストア日記
私が箱スカを手に入れた時から現在に至るまで、感動の?(笑)ヒストリー

 

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 このページに記載される数々のウンチク、データ等は正式に勉強したもの、雑誌から得たものもあります。
いずれのものも自分で実際に経験した事を書いているつもりです。
しかしながら私の勘違いや思い込みもある事と思います。
間違っている事もあるかもしれませんので、そんな時は御連絡下さいませ。

 

 

 箱スカのワイパーはかなり前から要改善ポイントでした。
動きが弱弱しく、小雨でウィンドウが半乾きになると摩擦抵抗で止まってしまう事も...
いつか現行車種のユニットを流用してやろうと思いつつも、そのまま放置していました。

 

 

久し振りに箱スカで友人宅へ
 すると帰る頃になって雨が。

ワイパースイッチを...(入ったままです)
「あれ?」(汗)
ハイにしてもローにしても反応しません...

どうやらワイパーモーターがお亡くなりになった模様。
しかし外は雨...
屋根付き駐車場に滑り込み窓に撥水剤を塗りこんで、外したワイパーを手に持って強行帰宅!

非常に疲れました...

 

 

早速ワイパーモーターのチェック
 幸い?私の箱スカはグローブボックスも撤去してあるので(笑)モーターは覗き込めばアクセス出来る状態です。
取り出して確認してみますと...

 

 

アーマチュア(回転子)
 コミュテータ(ブラシと回転接触する部分)に汚れは見られるものの、取り立てて異常は無さそうな感じですが、巻線が黒っぽいのが気になります。
通常モーターの巻線は銅色だと思うのですが、まぁもしかしたら被覆の関係なのか??

 

 

ブラシ部分
 一方ブラシ部分はこんな感じです。
こちらもブラシの磨耗は認められるものの、特に異常は見られません。

3個あるブラシは「低速」と「高速」で使用するブラシが変わるためです。

組み立ての時はこの画像のようにブラシリード線をホルダーに引っ掛けてアーマチュアを差込んだ後、リード線をずらしてやればOKです。

 

 

原因探求
 現在この箱スカのワイパーモーターは生廃だったはず...(泣)
実は以前から「買おう買おう」と思っていたものの、3万円近い金額に延ばし延ばしに。
遂に買う前にモーターが壊れ、その時は新品は無しという事に...(汗)

仕方ないので動かないワイパーモーターの原因をさぐってみます。
直ればしめたもの!

(1)目視点検 : 特に異常は無し(コイル巻線の色が気になる..)
(2)コミュテータ : 汚れてはいるものの動かない原因には成り得ないように思える
(3)アーマチュア : シャフトも異常無く手で回せば膠着も無く回ります

各所磨いたりグリスアップ(箱スカのモーターはメタル軸受け)したりして再度組み立て。
車体コネクタに装着してみると...

「動いた〜!!」

と喜んだのも束の間、異様な発熱とともにどんどんスピード低下...
これはダメです...(泣)

想像でしかありませんが、回転子の巻線が短絡状態となり過電流が流れ過熱してしまうのでは?という結論に...
巻線を巻きなおす事も考えましたが時間も勿体無いので潔く自分の手での修理を諦めます...

 

 

どうするか?
 さすがにワイパーが動かないのは実用上問題があります。
ではどうするか?

(1)箱スカ、もしくは近い年代のワイパーモーターの中古を探す : 出てきたとしても信頼性と性能で疑問が
(2)現行車種モーターに交換 : 一番材料入手は容易で安価と思われるが場合によっては大改造..

迷わず(2)にしました(笑)
とは言え現行車種のモーターが果たしてそのまま使えるのか不明です。
調べてみると現行車種は「ワイパーアンプ」というユニットを介して動かしているようですので単純なスイッチ制御の箱スカとは違うように思えます。

そこで
・現行車種モーターを使用、さらにそのワイパーアンプ、ワイパースイッチ、ハーネス全部移植
という方法を考えました。
つまりワイパーの系統を全て流用してしまうのです。
これなら箱スカには機械的結合のみをどうにかすれば使えるはずです。

手始めにモーターのみ入手、何となく気持ち的に同じ日産スカイラインという事でR33用の中古品を入手。
手元に来て観察してみると細かい形状や材質こそ違うものの
「基本構造は同じか?」
と思えて来ました。

そこで早速分解してみます!!

 

 

アーマチュア
 これがR33用のモーター回転子です。
箱スカの物に比べスリムになっており、ギア側はボールベアリング支持になっています(箱スカはメタル)。
更に細かい部分では回転バランス取りがローターを削って行っています。
箱スカはクリップのような重りをローターに付けていました。

 

 

ブラシ部分
 ブラシが3本なのは箱スカと同じで、各ブラシにはノイズキラーと思わしきコンデンサや素子が装着されています。
ちょっと作りは高級?(笑)

さらに画像にはありませんがギア部分の構造を見るとニュートラル検知スイッチも箱スカ同様に装備されており、図面を書いてみると多少の工夫でそのまま流用可能という事が判明!!

急遽装着作業へと移行します♪

 

 

配線の小改造
 R33モーターを清掃後組み上げ車体側のコネクターをワイパーモーターに合わせて変更、早速つないで動作させてみます。

すると元気良くモーターが回りだしました!!
「やった〜!」
もう頭の中は麦補給で乾杯する事でいっぱいです(爆)

しかし冷静に見ているとギアボックスに書かれている回転方向とは逆に回っています。
逆回転でもワイパー動作に変わりは無く問題無いのですが、気分良くないので正方向になるように配線を加工しました(ただし今後ワイパーアンプ装着の事を考えR33オリジナルに戻せるように)。
再度動作試験で無事正回転になっている事を確認!

次は機械的マッチングを行わなければなりません。

 

 

箱スカのギアボックスシャフトとアーム
 これは箱スカのワイパーモーターです。
「丸検マーク」
が時代をかんじさせてくれます(笑)。

ちょっと分かり難いですがギアボックスから出るシャフトは四角に面取りされています。

リンクを動かすアーム接続部にはエキセントリック状のカム機構が備わっています。
何かと思い調べたら
「ライズアップ機構」
というものでした。

これは通常動作は窓の端までブレードが動作しますが、停止時には窓枠ゴムまで移動するというもの。
私はワイパー立て位置をニュートラルにしているのでこの機構は不要なんですが、一応活かす方向で、このアームをR33用に移植します。

 

 

R33のギアボックスシャフトとアーム
 一方こちらがR33用です。
やはり新しさを感じますね〜(笑)

シャフトはこのように丸穴(テーパーシャフト+セレーション勘合)です。
アームはボールが付いています。
最初はこのアームの勘合部分だけ切り取って箱スカのアームに溶接しようかと考えたのですが、箱スカのアームを丸穴テーパー加工してやる事に。

とは言ってもドリルで穴を拡大してリューターでテーパーに削っただけの手作業ですが...

 

 

完成!!
 画像はありませんがボディを一部加工(穴開け、穴拡大)して装着完了しました。
モーター自体はコンパクトになったので設置の自由度はありますが、構造上4箇所の取り付け穴を全て使う事は不可能だったので3箇所のみで固定しました。
問題が出たらアダプタープレートを製作して4箇所止めにしますが、まず大丈夫でしょう。

いよいよワイパーブレードを装着しての動作チェックです!!

スイッチを入れるとまるで普通の車のように(爆)ワイパーが動き出しました!!
箱スカのあの弱弱しい動きは無くなり、力強く動いてくれます。
ハイスピードではワイパーブレードが水を弾き飛ばすくらいの勢いです!

ムービーで撮影しました(笑)↓
http://www2s.biglobe.ne.jp/~ETgarage/Movies.html

今後はワイパーアンプとスイッチを入手し、間欠&間欠時間調整付き、ウォッシャー連動という近代装備にしてみたいです(笑)。
ま、でもこのままの可能性「大」ですが(爆)

(終わり)