箱スカ チューニング日記 1999年6月1日〜  憧れの3.1リッター化計画(8)

最終組み立て!(その1)
 エンジン組み込みの際になって発見されたピストンピンの径違いでしたが、無事加工もあがって来ました。早速組み込みです。

※画像をクリックすると拡大画像が表示されます。


 これがブッシュを打ち替えた(元々フルフロー化されていたが、L型ピストンピンよりも太いピストンピンに合わせてブッシュが入れられていた))L14コンロッドです。最初から気付いてれば偏芯加工してブロック面研が省略できたのですが...
中古パーツは各部のチェックを丹念にしなければ、と痛感しました。


 これでやっとピストンが組める訳です。
カメアリ・レース用φ89ピストン+チタンコーティングピストンリング、L14コンロッドという感じです。
コンロッド・メタルはニスモのSTDクリアランスの物(クリアランスは確認済み)です。


 当然の事なんですが、コンロッドの組み込みは方向を間違い無いように...


 フルフローで、このピストンはピンが常温で手で入りました。片側のクリップを入れておいてから、エンジンオイルをたっぷり塗ってピンを挿入、もう反対側のクリップをハメ込みます。このクリップ挿入は手で作業できます。端から順繰りに押し込んでいくと入ります(ハジけ飛んで無くさないように...)。


 コンロッドにメタルを組み込み(コンロッドとの接地面は脱脂して、クランクとの接地面にはオイルを塗布します)、それを落とさないように、またコンロッドでクランクを傷付けないように丁寧に組み上げます。

この時、ピストンリング(トップ、セカンド、オイル(上)、オイル(下))は合い口を互いに位置を変えて装着、ピストンリングコンプレッサーを使用してシリンダーに組み込みます。左の図はその組み込み例です。
もちろん、この時ピストンにもオイルをたっぷりと塗布します。
 ピストンの向き(リセスの位置関係)には十分注意しましょう。1番(車両前方)から順番に
排(リセス小)-吸(リセス大)-吸-排-吸-排-排-吸-排-吸-吸-排
です。
ヘッドを組む前には再度チェックしましょう。さもないとバルブクラッシュで壊してしまいます。


 これは燃焼室です。面研のみでノーマル(バルブもN42ノーマルの44.5/35)です。ビッグバルブはステム長の設定や、バルブスプリングとの相関関係があるのでハイリフトカムの時に考える事にしました。念のため容量測定も行います。
 中央に見えるのは2mm厚のアクリル板で適当な大きさに切ってφ5mm程の穴を開けてあります。
燃焼室の周りにグリスを塗り、そのアクリル板を敷き、穴からシリンジで灯油をゆっくり注入して入った量を測定します。
 この燃焼室容量とガスケットによる空隙分と、ピストンのバルブリセスによる容量を足して、ボア×ストロークとの比を出します。
結果、約11.5:1となりました。燃焼室加工を行っていないので、まぁこんなモンでしょうね。ノーマルバルブ+ローリフトカムのヘッドには適当な数値だと思います。
Ver2(最終仕様)では圧縮比を12以上にしてみたいですね。


 ヘッドを載せてみました。
ヘッドボルトはL20ET用の純正品(ボルト頭部に「13」の刻印あり)です。カムホルダーには2mmのスペーサーを使用しました。これはブロック面研(1mm)とヘッド面研(1.5mm)を考慮したためです。
カムは75度の8.6mmリフトで大人しいスペックのものでピークは7,500rpm程度、最高出力は250〜280馬力の予定です。
あくまで希望を含んだ「予定」ですが...(笑)


 カムチェーンもかけました。これは強化チェーンです。必要性は?でしたが、良い機会なので替えてしまいます。
カムチェーンテンショナーはストッパー付きの物です。一度テンショナーがフロントカバー内でバラけて痛い目に会ってますので...(笑)


 ようやく形になってきました。
この辺りまで来ると、「エンジンを組んでいる」という実感が湧いて来ますね(笑)。一つ一つの作業でそのエンジンに火が入った時の事を想像しながら、気分は既に300馬力をオーバーしていたりします(笑)。
しかし暑さ故に思考能力が低下しているのと、水分補給(麦製醗酵飲料水)のためさらに思考能力が低下しているのが心配です...(笑)

(続く)

※チューニングについての内容、理論等についてはこの内容が全て正しいというものではありません。色々な情報、資料、経験を元に私が判断したものです。また、私のクルマに有益なチューニングであっても全てのクルマにおいて通用するとは限りませんのでご注意下さい。
また、皆様でエンジン製作に関してのノウハウや参考意見などございましたらお知らせ頂ければ幸いです。