箱スカ チューニング日記 1999年6月1日〜  憧れの3.1リッター化計画(1)

 日産L型と言えば、2.8改3.1というメニューが一般的です。
たかが+300ccなのですが、フルチューンともなると軽く300馬力を超えています。馬力が全てではありませんが、やはり「NAの300馬力オーバー」は非常に魅力的ですよね。私も長らく2.8リッターの吸排気系ライトチューンで頑張ってきましたが、2.8ベースのパワーの限界も感じられ、いよいよ憧れの3.1リッターをと壮大な(笑)プロジェクト実行を決めました。
 きっかけは5,000円で手に入れた軽量加工LDクランク、1本2,000円で手に入れたL14コンロッドで、エコロジーが叫ばれ10モード燃費で税金を決めようとする動きのある昨今、21世紀までには究極の非エコロジー(笑)なクルマを完成させようを目標にエンジン製作を始めます(ただし公害をまき散らすという意味ではありません)。
 仕様はド・定番のLDクランク+L14コンロッド+φ89ピストンの3.1リッターです。これで定番以上のパワーを出すべく組み上げて行く予定です。目標はズバリ「300馬力オーバー」
そのパワーがあれば、念願の「打倒ポルシェ」も夢では無い...かな?(笑)


L型エンジン概要
 まずは基礎知識からです。
当たり前の事ですので知っている方は飛ばして下さい。
左図がL型エンジンの断面図です。
【A】はクランク中心からブロック上面までの「ブロック高さ」
【B】はクランクのストロークの1/2
【C】はコンロッド長さ
【D】はコンプレッションハイト(ピン上寸法)
です。

・L20ノーマルの場合(ピストン径φ78、バルブINφ38/EXφ33)
 【A】:208mm
 【B】:34.85mm
 【C】:133.0mm
 【D】:40.1mm

・L24ノーマルの場合(ピストン径φ83、バルブINφ42/EXφ33)
 【A】:208mm
 【B】:36.85mm
 【C】:133.0mm
 【D】:38.1mm

・L28ノーマルの場合(ピストン径φ86、バルブINφ45.5/EXφ35)
 【A】:208mm
 【B】:39.5mm
 【C】:130.4mm
 【D】:38.1mm
つまり、【A】−(【B】+【C】+【D】)=0mmとなる訳です。

・L28改3.1の場合(LDクランク、L14コンロッド、φ89亀有製レーシングピストン使用時)
 【A】:208mm
 【B】:41.5mm
 【C】:136.6mm
 【D】:29mm
で、【A】−(【B】+【C】+【D】)=0.9mmとなり、ピストンはブロックよりも0.9mm凹む事となるのです。


仕様決定
 今回の私の目標とする仕様は下段の亀有ピストン仕様です。
まずはベースとなるブロックを手に入れなければなりません。巷では「N42」タイプのブロックが最も強度が有り良いとされていますのでN42を探したのですが、今やL28も高価なエンジン(笑)で、そう易々とは手に入りません...
 そこで思い出したのです。「友人のS30が以前N42だったはず」
そのエンジンはN47ヘッドを持つカルフォルニア仕様の丸排気ポートモデルでした。今まで見た事が無いヘッドでしたので、ドラッグレースで有名な「PC−MATSUMOTO」のばるたん氏にお聞きしたところ、排ガス規制のヘッドのため、チューニングには適さないとの事。それもあって、あまりの調子悪さに取り卸して国内L28に載せ替えた経緯があるのです。
しかし、ブロックのみならポート云々は無関係のはず、早速引き取り先の「R−moon」に行き、譲ってもらいます。即座に分解し(物凄いスラッジだった...)洗浄しボーリング加工へ!

(続く)

※チューニングについての内容、理論等についてはこの内容が全て正しいというものではありません。色々な情報、資料を元に私が判断したものです。また、私のクルマに有益なチューニングであっても全てのクルマにおいて通用するとは限りませんのでご注意下さい。