96年3月の事です。 これが私の自転車にも触手を伸ばすきっかけだったかもしれません。

それまでは自転車は近所の買い物に行くのにママチャリがあれば良いくらいでした。
小学生の頃はごく普通に「サイクリング車」(笑)に乗ったりもしましたが、その後は特に興味を持つ訳でも無く、 数十万円の自転車を見ても、『この金があれば車やバイクのチューニング費用に使うよなぁ』、という感じでした。
しかし、根本的に『車輪の付いて、自分でコントロール出来る乗り物』が好きな私は病原菌はしっかり保有していたようです...(笑)


 この時、私は仕事の出張(大阪空港内での研修)で長期間大阪のビジネスホテルに滞在していました。その間は車やバイクを断った生活となり、私にとってそれはそれは非常に辛い日々でした...
せめて宿泊地の近所でも回れるようにと、ホームセンターで購入した安物(無名メーカー2万円)のMTBルック(「オフロードは走らないで下さい」と注意書きが貼ってあるような自転車です(笑))自転車を購入した事から始まったのです。

車だろうがバイクだろうが自転車だろうが、『走る』、『イジる』が大好きな私です、その後は容易に想像出来ると思いますが、価値のない安物のチャリンコに安物パーツを注ぎ込み、夜な夜なホテルの部屋でチューニング?(笑)に勤しんでおりました。私は何かを『改造』していると満足なようです(笑)
となると今度は走りたくなって行くのですが、関西の走りのスポットというと『片山』=『六甲山』というイメージ(あ、歳が...(笑))があり、ならばと半分シャレでチャリンコでの六甲山走破を計画したのです!!(笑)

六甲山頂上までは片道約30km以上、標高930mです。車やバイクでしたら訳なく着く距離ですが人力、しかもかなり弱った(笑)人力のみが頼りの自転車です、想像以上に辛いツーリングでした(笑)。
平地であれば20km/h程度の巡行は簡単ですが、六甲山に近付くに従って登り道となってきます。
装着したスピードメーターの速度はみるみる下がって行き、数km/hとなり、急激な登り坂に遂には自転車を押す事もしばしば...

逆に下り坂では70km/hを越え、非常に恐い思いも...(笑)
バイクのようにアクセルコントロールで車体を動かす事の出来ない自転車は、ある意味難しい乗り物かもしれません。車やバイクに乗って、散々サーキットや峠を走った人間からしてみると、チャリンコというのはどうしてもバカにして見てしまいますが、実は奥が深く楽しいという事もわかりました。

そんな事も感じはしたものの、
『あ〜、オレは何でこんな事してんだ...(泣)』
と後悔しながら、何とか遂に走破しました(笑)。
朝5時にホテルを出発、帰り着いたのは夜の8時過ぎ..長い長いツーリングでした。
でもたまには自分の足で走るのも良いかもしれません。色々と新鮮な発見があります。

 そんなチャリンコですが、この時からズブズブと泥沼へはまって行くとは...

(続く)